2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00520
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 英裕 Osaka University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分割可能グラフ / 理想グラフ / ケーリーグラフ / 有限群 / 擬因子 / 組合せデザイン / d-周期的 |
Research Abstract |
グラフをその頂点部分集合を頂点とする樹状のグラフとして分解することはグラフ理論の各分野において広く行われている。このような分解は一般的には長さ4以上のホールが大量に存在する場合や、クリークが環状に存在する場合には分解の方法が膨大に存在するために最良なものを選択することが難しい。京大数理解析研究所の「組合せ最適化セミナー」においては通常広く知られた2次元格子グラフの木分解に比べて、路幅と呼ばれるパラメーターを小さく取れる分解の方法を広めた。また、格子グラフと同様にホールが大量に存在するグラフクラスとして分解可能グラフが存在する。グラフ理論において重要な分解可能グラフのクラスとして有限群の擬因子から生成されるケーリーグラフの族が知られている。しかし擬因子を持つことが知られている有限群は今までは巡回群、2面体群および散在的な2つの群のみしか知られていない。21年度は偶数位数巡回群と2面体群という2つの無限系列の生成する分解可能グラフのクラスが一致することを示した。このことによって分解可能グラフの最大クリーク同士の頂点の共有する頂点数に関するPecherによる予想を補強することとなった。また、この事実は対角成分が0で他の成分が1である行列の分解に対応する組合せデザインの中でd周期的なデザインと(-d)周期的であるデザインを組み合わせて作られるデザインが本質的に1周期的なデザインと同等なものであることも示すこととなった。
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Research Products
(7 results)