2009 Fiscal Year Annual Research Report
雷放電の多面的研究-雷活動によるNOx生成量推定及び雷放電開始メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J00526
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 智 Osaka University, 工学研究科, 助教
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Keywords | 国際研究者交流 / ロケット誘雷 / 電磁波リモートセンシング / 大気電気学 / 気象学 |
Research Abstract |
VHF波帯広帯域ディジタル干渉計(以降,干渉計)を用いて米国にてフロリダ大学の雷研究グループと共同でロケット誘雷の野外観測を行った.この雷研究グループは誘雷用のロケット打ち上げ施設を有しており,実験施設内に多数の放射線観測器(Nalシンチレータ)を設置している.本観測の目的は干渉計でロケット誘雷のリーダ進展路を三次元可視化し,地上で観測された放射線データを解析することにより,リーダ先端での放射線エネルギーを推定することにある.上記以外にも上向き正リーダUPL)の進展様相の観測も同時に行った. ・リーダ先端での放射エネルギー推定について 干渉計にて三次元可視化に成功した12事例のうち,1事例のみ地上の放射線計測器で有意な放射線量の上昇を確認することができた.電界変化と同時に発生していることから,ロケット誘雷により引き起こされたことは明らかである.今後,リーダ先端での放射線エネルギー推定を行う. ・UPLの進展様相観測について 本観測では,2事例にて明確なUPLの上昇が確認できた.そのうち一事例では,電流及び高速ビデオカメラによる観測からUPLが発生していること,及び地上123mから325mの間に進展速度が1.2×10^4m/sから2.1×10^5m/sに加速していることが分かっている.干渉計で三次元標定されたUPLは,その開始からおよそ3ms後に高度約1kmから標定され始め,約4kmの高度に達している.この観測結果から(1)干渉計の標定点は地上で大きな電流(>3kA)かつ電流パルスが計測された時に観測される,(2)UPLの干渉計で計算された進展速度は3.4×10^6m/sであり,高速ビデオカメラで得られたUPL開始時の進展速度(~10^5[m/s])に比べ一桁以上大きい,などのUPLに関する基礎的な特徴が得られた.
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Research Products
(4 results)