2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00533
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
全 炳俊 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高輝度電子ビーム / 放射光 / 超高時間分解計測 / 自由電子レーザ / 高周波電子銃 |
Research Abstract |
本研究の目的は,電子ビームミクロパルス中での横方向特性の時間発展計測法を開発し,電子銃の高性能化による電子ビームの更なる高輝度化,およびその電子ビームを用いた高機能放射光源の高性能化・高輝度化に寄与することにある.そのため,本研究期間内においては,ストリークカメラを用いた超高時間分解計測とトモグラフィ法を用いた横方向特性計測法とを組み合わせることによって,ミクロパルス中での横方向特性時間発展計測法の開発と開発した手法を用いた電子ビーム特性計測を通し,電子銃の更なる高性能化に向けた指針を示すことを目標としている.そのため,本年度は以下の項目を実施した. 1.光学系の整備 2.光学系の設計コード開発 3.25MeV電子から放出される遷移放射光をストリークカメラにより計測し,電子バンチの時間長さとその加速器運転条件に対する依存性を計測した.その結果,1電子バンチあたりの電荷量が最大30pC程度と小さいため,25MeV電子から放射される遷移放射光強度が十分ではない事が判明した.このため,より高強度の光が得られるチェレンコフ放射を時間分解計測に用いることを考えている. 4.時間分解計測において信頼性の高い実験データを得られるように,また,バンチあたりの電荷量を増大させるために,二つの手法により,ビーム負荷変動補償法を導入した.一つは高周波加速管へ投入する高周波電力を変化させる手法であり,もう一つは加速空胴の共振周波数を投入する高周波電力の周波数よりも数百kHz程度低く調整する手法である.これらの手法により,電子ビームエネルギーをマクロパルス中で一定に保つことに成功し,バンチあたりの電荷量を最大50pC程度まで増強することに成功した.また,これらの手法により,京都大学中赤外自由電子レーザ装置における,レーザ出力の大幅な増強と,レーザゲイン飽和を達成することができた.
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Research Products
(7 results)