2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内送達ベクターと自己分解型リンカーに基づく効率的薬物粘膜透過システムの構築
Project/Area Number |
08J00548
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 健太郎 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Caco-2 / FITC-エタノールアミン / 膜透過促進配列 |
Research Abstract |
1年目と2年目の成果をもとに、小腸上皮細胞モデルとしてCaco-2細胞を用いて、効率的な粘膜透過システムの樹立を目指した。新たに開発された膜透過促進配列(Pas)を付加したアルギニンペプチドによる効率的な細胞内導入により薬物の細胞内濃度を高めるとともに、ペプチド性自己分解型リンカーの精密設計に基づく細胞内薬物放出速度の最適化により、薬物がアルギニンペプチドと一緒に細胞内に保持されることを回避し、効果的なbasal側(血管側に対応)への薬物の放出を図った。難透過性薬物モデルとして、以前の報告と同じくFITCにエタノールアミンを付加した化合物(FE)を用いた。FE単独投与もしくはPas未付加アルギニンペプチドコンジュゲートとして投与の場合に比べて、Pas付加アルギニンペプチドコンジュゲートとして投与した場合、FEのCaco-2単層膜透過量は約2倍増加した。薬物放出半減期は以前の報告と同様に、10分程度の短時間のコンジュゲートで最も高い効果が得られた。以前の報告では、本検討よりも5倍高い濃度でPas未付加アルギニンペプチドを用いて同様の効果を得ていたことから、Pasの適用により投与量の低減が達成された。
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Research Products
(2 results)