2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内送達ベクターと自己分解型リンカーに基づく効率的薬物粘膜透過システムの構築
Project/Area Number |
08J00548
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 健太郎 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アミノ酸側鎖構造 / 自己分解型リンカー / スクシンイミド / 放出半減期制御 |
Research Abstract |
化学的(ペプチド性)自己分解型リンカーの分解制御法の確立を試みた。生理的条件下、イミド形成に基づくリンカーの自己水解により、親化合物が再生されることから、自己分解型リンカーを介した複合体は一種のプロトラッグとも見なすことが可能てある。ジスルフィドを介した結合は、SH基を有する薬物には限りがあるために、より一般的な水酸基やアミノ基を有する薬物に広く用いることの出来るリンカーとして、化学的自己分解型リンカーの適用を検討した。また、細胞内での酵素切断などを利用したプロドラッグ化による薬物の再生においては、しばしば親化合物の構造・組成が元に戻らないことがあるのに対し、この方法では親化合物は完全に再生可能であり、その意味でも有用である。これまでに、トリガーとしてのアミノ酸1残基で分解半減期が制御されていたが、アミノ酸側鎖が分解を誘起するタイプの自己分解型リンカーは見出されたばかりてあり、自己分解を活性化するアミノ酸、あるいは周辺の構造的、物理化学的環境が分解半減期に与える影響などの詳細は未だ検討されていない。そこで、市販されている種々の側鎖構造を有するアミノ酸を1残基だけてなく、複数のアミノ酸の組み合わせ、さらに、L体、D体の組み合わせも考慮し、様々なリンカー構造を有する化合物を合成した。これらの化合物の分解半減期をHPLCを用いて網羅的に解析した結果、スクシンイミド形成による分解において、半減期制御に関する基礎的情報を得ることに成功した。
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Research Products
(3 results)