2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射による三次元位相物体の光学的可視化に関する研究
Project/Area Number |
08J00581
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大淵 武史 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イメージング / 再構成 / 逆問題 / 最適化 / 光干渉法 / 光CT法 / 近距離場音響ホログラフィ法 / 位相物体 |
Research Abstract |
当研究の目的は三次元位相物体の可視化である。位相物体とは温度や密度等、通過する光の位相にのみ影響を与えるものである。従来手法では三次元位相物体の可視化のために三次元走査をするため、多量の測定点が必要である。そのために長い測定時間が必要であり、実用に際して問題があった。これに対して提案手法では超音波を照射して、二面、もしくは三面の二次元音圧分布のみを測定すればよく、少ない測定点で位相物体を可視化することが可能となる。提案手法では測定した音圧分布から音速分布を得て、その音速分布から位相物体を可視化する。昨年度は均一な媒質における音速計測手法を提案したが、本年度は特定の条件下における音速分布計測手法を提案した。測定した音圧分布から音波伝搬計算手法である近距離場音響ホログラフィ法(NAH)を応用し、最適化問題を解くことで音速分布を推定する手法を確立した。提案手法に関しては、シミュレーションによりその妥当性を確認した。本手法は、音波伝搬計算手法に用いられるNAHを最適化手法と組み合わせることで音速計測をするところに独創性がある。以上の研究成果に関しては、1件の雑誌論文と2件の国際会議発表、1件の国内会議発表にて報告をした。音圧分布測定や音速分布測定は、医療診断や工業計測の分野で幅広く用いられている。本年度の研究成果により測定機器や測定時間を削減できる。より広範囲の測定をする際には重要となる研究成果であるといえ、幅広い分野に応用が可能である。
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Research Products
(5 results)