2008 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線を用いた高感度全天サーベイによる隠された活動銀河核の探査とその構造の解明
Project/Area Number |
08J00601
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 智士 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 活動銀河核 / 硬X線 / MAXI |
Research Abstract |
Swift/BAT硬X線全天サーベイは15-200keVバンドで行われたサーベイで、新しいタイプの活動銀河核(AGN)が見つかっている。私はこのサーベイで見つかった新AGNのうち6天体を「すざく」衛星で観測し、解析を行ってきた。一般的にAGNの連続成分のスペクトルは数100keVの領域で指数関数的カット・オフが掛かるが、Swift/BATの観測結果を利用することで、このエネルギーが300keVであるという制限を付けた。これにより、各種パラメータについてより精確な値を得ることができ、6天体のうち3天体が新しいタイプのAGNであるという結果を得た。さらに、狭輝線領域で散乱された成分とダスト・トーラスで反射された成分それぞれの強度について1つの平面にプロットすると、新しいタイプとこれまで見つかっている2型AGNとではこの平面上で綺麗に分離されることをはじめて発見した。この結果は、新しいAGNだけでなくAGN全体の成長・進化を考える上で非常に重要な手がかりを与えるものと期待される。 MAXIは国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」に搭載予定の、X線全天監視装置である。私はMAXIの地上系ソフトウェア、特に宇宙空間でのMAXIの動作を模擬して天体からのイベントデータを生成する「MAXIシミュレニタ」の開発を行っている。20年度のバージョンアップによって、最新版のシミュレータでは太陽・月・地球、そして宇宙ステーションの太陽電池パドルによって対象天体が隠される状況もソフトウェア上で再現できる仕組みを完成させた。この機能により、MAXIの打ち上げ前に任意の期間におけるMAXIの有効積分時間を算出できるようになった。
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Research Products
(4 results)