2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー電子によるレーザー核融合爆縮コアプラズマ電磁場診断
Project/Area Number |
08J00602
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中新 信彦 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザー加速 / 強磁場計測 / レーザープラズマ |
Research Abstract |
二次元流体コード(h2D)とハイブリッド粒子コード(LSP)を使い、高エネルギー電子を用いたレーザープラズマ相互作用で発生する強磁場の計測のシミュレーションを行った。この研究は本研究課題の中の基礎研究として、レーザー加速による高エネルギー電子がプラズマ中に発生する磁場計測に使用可能かを判断するという重要な意義を持つ。 まず、二次元流体コードを用いて強度が約10^<14>W/cm^2のナノ秒パルスレーザー(Ins)を固体(ポリエチレン)表面に照射したときに発生するアブレーションプラズマとその周りに発生する磁場を計算した。レーザー照射後すぐにプラズマ中に非平行の電子の温度勾配と密度勾配によって圧力が生じ、電場が励起され、それを取り巻くように磁場が発生する。照射後1.5nsには100kGauss程度に到達する。次にハイブリッド粒子コードを用いて、このプラズマと磁場に10MeVの高エネルギー電子を入射させたときに起こる高エネルギー電子の偏向を計算する。その電子の変位量から磁場の大きさと分布(電子の方向に積分された磁場強度)を再構築する。結果、電子の変位量から再構築した磁場の大きさは流体シミュレーションで求めた磁場の大きさと一致する結果が得られた。このことから、レーザー加速によって発生する高エネルギー電子がプラズマ中に発生する磁場の計測に有効であることがわかった。この計測法の時間分解能は電子のパルス幅によって決まり、数10fsが実現可能である。
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