2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁気円盤における磁気コアの電流誘起ダイナミクス
Project/Area Number |
08J00604
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 啓介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | スピントロニクス / Vortex Core / 磁気円盤 / Spin transfer torque |
Research Abstract |
本年度は、パルス電流を用いて磁気コアの極性反転について研究を行った。パルス電流を用いた磁気コアの極性反転は、シミュレーションから極性反転現象が起きることが明らかになっている。また、パルス電流を用いた研究の特徴は、今までに研究を行ってきた交流電流よる反転現象とは異なり、短時間(nsオーダー)で反転現象を起こすことができ、パルス電流強度とパルス幅を反転条件に調節することによって反転制御を行える可能性がある。パルス電流を用いて磁気コアの極性反転を確立することは、磁気コアを利用したメモリなどに活用することでき、また電流誘起による極性反転現象のスピンダイナミクを明らかにすることができる点からも重要である。 磁気コアの極性反転は、磁気力顕微鏡を用いてパルス電流印加前後の磁気コアの状態を観察することで確認した。測定は、パルス幅と電流密度について行った。試料は、電子線リソグラフィーとリフトオフ法を用いて作製した。直径1.55・m、膜厚55nmのNi81Fe19円盤において電流密度1.3×1012A/m2,パルス幅が2.3-3.0nsの条件の時に高い反転確率を得た。得られた実験結果は、シミュレーション結果と定性的に一致することがわかった。極性反転が起こる機構は、シミュレーション結果から磁気コアの運動速度が〜250m/s以上になった時に反転が起こることがわかった。 本研究では、パルス電流を用いて磁気コアの極性反転が起こることを明らかにした。また、シミュレーション結果からパルス電流を用いた反転現象について検証を行った。
|
Research Products
(5 results)