2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンアマガエルの多体系発声行動に関する数理物理学的および生物行動学的研究
Project/Area Number |
08J00608
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
合原 一究 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | ニホンアマガエル / 同期現象 / 発声行動 / 位相方程式 / 逆相同期 |
Research Abstract |
平成20年度は、ニホンアマガエル3匹の発声行動に関する理論的研究を中心に進めてきた。ニホンアマガエルの場合、2匹では交互にほぼ逆位相πで同期して鳴くため(I.Aihara et.al.IEICE TRANSACTIONS on FUNDAMENTALS(2007))、3体系ではフラストレーションが内在することになり、その振る舞いは自明ではない。我々は2体系における逆相同期発声行動を定性的に説明する数理モデルを3体系に拡張し分岐解析およびリアプノフ関数解析を行なうことで、その振る舞いを数値的・理論的に調べた。その結果、2体1の逆相同期状態、3相同期状態や非同期状態を含む様々な同期現象が実際に観測されうることを示した。また、研究成果は未発表ではあるものの、2匹のアマガエルの発声行動における非同期状態の時系列データを元に相互作用関数を直接推定する研究に挑戦し、予備的な成果を得た。これは位相モデルの枠組みで、アマガエルの発声行動を理解する上で重要な成果であり、平成21年度も継続して実験およびデータ解析を行っていく。アマガエル3体系の理論研究については、査読付き学術論文として英文誌「Mathematical Biosciences」にて研究成果を発表した。また、学会発表についても後述の通り、査読付き国際会議(DDAP5)での口頭発表を含む10件を行ない、(社)音響学会関西支部第11回若手研究者交流研究発表会においては最優秀賞を受賞した。
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Research Products
(13 results)