2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規シロイヌナズナ試験管内翻訳系を用いたCGS転写後制御機構の遺伝生化学的研究
Project/Area Number |
08J00643
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
室田 勝功 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 転写後制御 / 翻訳アレスト / シロイヌナズナ / 試験管内翻訳系 / mRNA安定性制御 / 分子生物学 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)をコードする遺伝子(CGS1)は、S-アデノシルメチオニン(SAM)に応答した翻訳アレストと、それに共役したmRNA分解によって発現が制御される。本研究では、CGS遺伝子の発現制御に関わる因子の単離・同定を目的として、以下の研究を行った。 1.酵母において翻訳アレストと共役したmRNA分解機構として報告されているNo-Go decayの因子、Dom34pとHbs1pについて、シロイヌナズナのホモログを検索した。Dom34pと類似性の高いタンパク質をコードする遺伝子としてAt4G27650とAt3G58390の2遺伝子、Hbs1pについてはAt5G10630とAt1G03360の2遺伝子に注目し、T-DNA挿入による遺伝子破壊株を人手した。現在、入手した株の中からT-DNAをホモに持つ株を選抜して、それぞれのmRNAの発現量を調べており、発現量が低下した株を選抜中である。 2.大腸菌のSecMやTnaC mRNAの翻訳アレストにおいて、新生ペプチドが通るリボソーム出口トンネル内壁の狭窄部位を構成するリボソームタンパク質L22が重要な役割を果たしていることが報告されている。シロイヌナズナにはRPL17AとRPL17Bの2つのオルソログが存在しており、RPL17Aの遺伝子破壊株にRPL17Bのアミノ酸欠失変異を導入した株が作出されている。この植物から細胞抽出液を調製し、試験管内翻訳による解析を行ったところ、CGS1 mRNAの翻訳アレスト効率が低下しており、それに伴ってmRNA分解中間体の蓄積量も減少していることが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)