2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン様修飾システムUfm1 systemの遺伝学的解析
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08J00655
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辰巳 加奈子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Ufm1 / Uba5 / 赤血球分化 / タンパク質修飾 |
Research Abstract |
昨年度までに、Ufm1システムの作用機構と生理的意義の全貌解明のため、Ufm1特異的E1様酵素であるUba5のノックアウト(KO)マウスを作製、解析し、Uba5 KOマウスは、赤血球分化特異的に障害があることを示してきた。また、血球特異的Uba5トランスジェニックマウスを作製した。本年度はこのマウスとUba5ヘテロマウスとを交配させることにより、造血細胞のみでUba5を発現するUba5 KO ; GATA-Uba5マウスを作製、解析した。その結果、Uba5 KOマウスで認められた赤血球造血の異常が回復し、胎生15.5日まで延命した。これらの結果からUfm1システムが赤血球分化において必要不可欠であることを示した。これまで、造血に関連して転写因子やサイトカインの研究は盛んに行われているが、タンパク質修飾という新しい分野の参入によって、造血研究に新しい風を吹き込んだと思う。Ufm1システムが造血にどのように関わっているのか、メカニズムは未だ不明であるが、Ufm1のターゲットタンパク質を同定することでメカニズムの解明にもつながる。 そこで、Ufm1の標的タンパク質の同定を、LC-MS/MS解析にて試みた。その結果Ufm1結合タンパク質から新規E3様酵素Ufl1とUfm1のターゲットタンパク質C20orf116の同定に成功し報告した。しかしながら、C20orf116は機能未知、新規のタンパク質であり、Ufm1化される意味は未だ不明のままである。C20orf116のUfm1化が造血制御に関わっているか否かを明らかにするとともに、Ufm1システムが生体内でどのような役割を担っているのか、明らかにしていきたい。
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Research Products
(3 results)