2008 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛パラジウムナノ粒子の合成と高性能メタノール水蒸気改質触媒への応用
Project/Area Number |
08J00685
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 良太 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 燃料電池 / 水素 / メタノール水蒸気改質 / ナノ粒子 / 触媒 / 亜鉛パラジウム / パラジウム / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究では、水素ガスを効率良く供給するメタノール水蒸気改質反応において高活性かつユニークなZn-Pd系触媒を開発することを目的としている。 研究初年度である本年は、触媒の活性点となるZnPdナノ粒子の新規合成法を開発し、更にZnPdナノ粒子の粒径、形状及び組成の制御について検討を行った。その結果、ZnPdナノ粒子を一段液相合成法により化学的に合成することに成功し、各試薬の仕込み比や反応温度、反応時間などの合成条件を変化させることにより約3〜10nmの範囲で粒径を制御することが可能であった。また、ZnPdナノ粒子の保護配位子として作用するオレイルアミンとオレイン酸の混合比を変化させることで粒子の形状を制御することも可能であり、オレイルアミンの比率が高い条件では球状粒子が生成し、オレイン酸の比率が高い条件では正方状粒子が生成する傾向があることから、オレイン酸がZnPdの(100)面や(001)面に対して選択的に配位することが示唆された。以上の成果により、次年度に実施予定である触媒活性評価においてZnPdナノ粒子の粒径・形状依存性を系統的に評価することが可能であると考えられる。 また、一段液相合成法ではZnPdナノ粒子の組成制御が困難であったため、予めPdナノ粒子を合成し、その粒子に対して任意量のZnを反応させることでZnPdナノ粒子の組成制御を新たに試みることとした。本年度は、種粒子となるPdナノ粒子の合成について検討を行ったところ、極めて単分散なアミン保護Pdナノ粒子の新規合成法の開発に成功し、2〜5nmの精密粒径制御と大量合成も可能であった。本調製法により調製される単分散Pdナノ粒子はアミンで保護されているため、既報のチオールやホスフィンで保護されたPdナノ粒子とは異なり、熱処理時にPd核へ不純物が混入する危険性が極めて低く、本研究での用途以外にも様々な分野への応用が期待される。
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Research Products
(6 results)