2009 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛パラジウムナノ粒子の合成と高性能メタノール水蒸気改質触媒への応用
Project/Area Number |
08J00685
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 良太 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 燃料電池 / 水素 / メタノール水蒸気改質 / ナノ粒子 / 触媒 / 亜鉛パラジウム / パラジウム / 白金 |
Research Abstract |
研究第二年度では、まず初めに、これまでに合成に成功している正方状ZnPdナノ粒子の高分解能電子顕微鏡による詳細な結晶構造解析を試みた。活性点の結晶構造は活性度に大きな影響を及ぼす重要な因子であるため詳細な解析は極めて重要である。結果は、粒子表面は四回対称の原子配列をとる(100)面や面心正方(fct)構造に特徴的な(001)面を露出していることを示唆しており、(100)面や(001)面へのオレイン酸の選択的配位を支持するとともに、fct構造に帰属される回折パターンを与えた粉末X線回折の結果に矛盾しないものであった。またEDS元素マッピングにおいて、ZnとPdの各元素は粒子中で偏析することなく一様に分布していることから、本手法で合成されたZnPdナノ粒子は固溶合金であることが判明した。以上の結果から、正方状ZnPdナノ粒子はfct-ZnPd規則化合金(Pd/Zn=1)であることが強く示唆されるが、ナノスポットEDSにより求められた組成比(Pd/Zn=4)との整合性を説明し得るに足る十分な結果ではなく、今後更に詳細な検討が必要となる。 次に上述のZnPdナノ粒子を含浸法によりカーボン担体に担持させることでZnPd/C触媒を調製し、メタノール水蒸気改質反応における触媒活性試験を実施したところ、300℃においても活性はほぼ確認されなかった。原因としては、粒子表面に残存した保護配位子が反応の進行を著しく阻害していことが考えられるため、次年度は適切な活性化処理条件について検討を行う予定である。 以上に加え、昨年度合成に成功した単分散Pdナノ粒子を種粒子としてPd/Ptコアシェル型ナノ粒子(Pd@Ptナノ粒子)の合成に成功し、更にPt原子層数を1~3層の間で精密に制御することも可能であった。このPd@Ptナノ粒子は燃料電池の電極触媒として優れた触媒能を発現することが期待される。
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Research Products
(6 results)