2010 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛パラジウムナノ粒子の合成と高性能メタノール水蒸気改質触媒への応用
Project/Area Number |
08J00685
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 良太 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 燃料電池 / 水素 / メタノール水蒸気改質 / ナノ粒子 / 触媒 / 亜鉛パラジウム / パラジウム / 白金 |
Research Abstract |
本年度では、昨年度までに液相一段階合成による合成に成功しているZnPdナノ粒子の形成メカニズムの解明を試みた。ZnとPdの前駆体として頻繁に使用されるZn^<2+>とPd^<2+>の各還元電位が大きく異なる(Zn^<2+>に比べてPd^<2+>が極めて還元され易い)ため、液相合成法によるZnPdナノ粒子の合成はこれまで困難とされてきた。そのため、Zn前駆体として金属状のZn粉末(Zn^0)を使用する我々の手法においてどのような機構でZnPdナノ粒子が形成されるのかを解明することは、ZnPdと同様の理由によりこれまで合成が困難とされてきた種々の二元系合金ナノ粒子への本手法の汎用化を実現する上で極めて重要な課題である。種々の対照実験を行った結果、一段階合成ではまず約200℃でPdナノ粒子が生成し、さらに300℃以上でZn粉末から徐々に供給されるZn^<2+>がPdナノ粒子表面上で還元されることでZnPdナノ粒子が生成することが示唆された。以上の形成メカニズムの検証実験として、300℃以上に加熱されたZn^<2+>に予め合成されたPdナノ粒子を加えたところ、この多段階合成においてもZn-Pd合金ナノ粒子が得られたことから、上記の形成メカニズムの妥当性が示されたと共に他の二元系合金ナノ粒子への本手法の応用が期待される。一方、合成したZnPdナノ粒子を含浸法によりカーボン担体に吸着させたメタノール水蒸気改質用ZnPd/C触媒の適切な活性化処理(ZnPdナノ粒子表面に残存する保護配位子の除去)法を見出すことが困難であったため、引き続き検討を行う必要がある。 また、Pt原子層数が0.5~3層の間で精密に制御されたPd/Ptコアシェル型ナノ粒子のCO吸着IR測定において、COの吸着力はPt原子層数の増加に伴い低下することが判明した。よって、本粒子はCO被毒耐性に優れた燃料電池用燃料極触媒へ応用されることが期待できる。
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Research Products
(13 results)