2008 Fiscal Year Annual Research Report
配向空間と刺激応答分解性を有する新規足場材料を用いた血管網含有配向筋芽組織の創製
Project/Area Number |
08J00703
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 裕安材 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 刺激応答性ハイドロゲル / 配向多孔空間 / 足場材料 / 配向三次元組織 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / アスコルビン酸2-リン酸塩 / 分解性不織布 / バイオマテリアル |
Research Abstract |
再生医療において生体類似組織構築法の確立は大きな課題である。私はこれまでに分解制御可能なテンプレートを用い、生体外で細胞と細胞外マトリックス(ECM)からなる三次元組織の構築法を開発した。しかし、得られる組織は細胞密度が低く、配向性や血管網を欠いており、多くの改善を要する。本年度は、1.塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)とアスコルビン酸の組織形成への影響、2.配向三次元組織の構築、3.分解制御可能な不織布の開発について検討した。第一に、組織密度を増大させるために、細胞増殖・遊走を促進させるbFGFに着目したところ、bFGF担持テンプレートは培養細胞の浸潤を大きく向上し、組織厚が増加した。第二に、生体組織が有する高度配向組織の構築のために、細胞が三次元的に配向できる多孔空間を導入することを考えた。テンプレートの多孔化にはシリカクロスとフッ酸の組み合わせを用い、得られた配向多孔テンプレートは細胞の配向を三次元制御し、テンプレート除去後に配向組織が構築された。本結果はミリメートル厚の配向組織を構築した最初の例である。第三に、生体組織ECMで見られるようなファイバー構造に着目し、新規なテンプレート材料として分解型不織布の作製を試みた。不織布の作製はエレクトロスピニングとそれに続く架橋反応により成功し、得られた不織布は還元刺激応答性を示した。また培養細胞はそのファイバー構造に沿った接着を示し、望んだ時期にテンプレートを除去することもできた。本材料は新規な組織テンプレートとして利用できると期待される。
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Research Products
(9 results)