2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラット視床から大脳皮質運動関連領野への投射を単一ニューロンレベルで解析する
Project/Area Number |
08J00704
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉本 恵梨子 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ラット / 運動性視床核 / 視床-大脳皮質投射 / 単一ニューロントレース / 大脳皮質運動関連領野 / 大脳基底核 / 小脳 / シンドビスウイルス |
Research Abstract |
本研究では、運動性視床核であるVA-VL核(ventral anterior-ventral lateral nuclei)およびVM核(ventral medial nucleus)の入出力を解析し、以下の所見を得た。 1.運動性視床核において小脳と大脳基底核からの入力はほとんど重ならない。 大脳基底核出力部(黒質/淡蒼球内節)由来の軸索終末はGABA作動性でVA-VL核のrostroventral領域とVM核に入力し、小脳核由来の軸索終末はグルタミン酸作動性でVA-VL核のcaudodorsal領域に入力し、両者はほとんど混じり合わない。 2.大脳基底核からの入力を受ける視床ニューロンよ小脳からの入力を受ける視床ニューロンはそれぞれ異なる軸索投射様式を示す。 方法としては当研究室で開発された膜移行性シグナル付きシンドビスウイルスベクターをラット運動性視床核注入し、単一ニューロンを樹状突起のみならず軸索末端まで完全に可視化し、二次元再構築した。その結果、1)基底核からの入力を受けるニューロンは小脳核からの入力を受けるニューロンより樹状突起の分岐の数が少なかった。2)基底核からの入力を受けるニューロンは線条体においてaxon bushを形成したのに対し、小脳核からの入力を受けるニューロンは線条体においてaxon bushを形成しなかった。3)どちらのニューロンも、大脳皮質において運動野を中心に、複数の領野にわたって広範に軸索投射していたが、基底核から入力を受けるニューロンの方がより広い範囲に投射していた。4)基底核入力を受けるニューロンの軸索は大脳皮質の1層中心に分布し、小脳入力を受けるニューロンの軸索は2/3層中心に分布した。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Ischemia-induced neurogenesis of neocortical layer 1 progenitor cells2009
Author(s)
Ohira K, Furuta T, Hioki H, Nakamura CK, Kuramoto E, Tanaka Y, Funatsu N, Shimizu K, Oishi T, Miyakawa T, Kaneko T, Nakamura S
-
Journal Title
Nature Neuroscience 13
Pages: 173-179
Peer Reviewed
-
-
-