2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋産多環状エーテル系天然物ガンビエロール及び関連化合物の合成研究
Project/Area Number |
08J00706
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
斎藤 竜男 Tokyo University of Science, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンビエロール / 多環状エーテル / ポリエーテル / ヨウ化サマリウム / 収束的合成法 / 天然物合成 / 形式全合成 |
Research Abstract |
海洋産多環状エーテル系天然物の機能解明を目指して,まずガンビエロールの全合成を目的とした。これまでの研究で合成した両セグメントを用いて最重要課題である収束的全合成を行った。分子内Reformatsky型反応を鍵反応として立体選択的に合成したガンビエロールのAB環ヨードアルコールと,SmI_2を用いた左右両方向同時環化法により高効率で合成したE'FGH環ラクトン-カルボン酸をエステル化により連結し,既に開発し九分子内Barbier型反応を用いた新規収束的合成法により高収率でC環ジヒドロピラン体を構築した。しかし続くヒドロホウ素化反応において末端ラクトン部が還元されその後の合成展開が困難であった。そこでこの副反応条件を検討し,左右末端にエステル及びラクトンを有するE'FGH環のラクトンのみ選択的に還元する方法を見出した。新たにラクトン部を有していないE'FGH環カルボン酸を合成した。これに先のAB環ヨードアルコールをエステル化によって連結し,ヨードエステルにした後,t-BuLiを作用させると期待どおりヘミアセタールへの環化反応が進行し,PPTS脱水反応でC環ジヒドロピラン体を構築した。ヒドロホウ素化反応により立体選択的に水酸基を高収率で導入後,保護基の変換を経てE'環6員環ケトンとし,TMSCHN_2を作用させることで環拡大反応が進行し,E'環を7員環ケトンへと導き,ABC-EFGH環が効率的に合成された。これは東北大佐々木先生らの全合成重要中間体と一致し,ここにガンビエロールの形式全合成が達成された。現在人工類縁体合成も視野に入れた高効率な合成法を検討中である。
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Research Products
(4 results)