2008 Fiscal Year Annual Research Report
材料極表面高精度解析を目的としたイオンビーム複合分析手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
08J00717
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加田 渉 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | イオンビーム / 組成分析 / 表面分析 / 低エネルギーイオン / 微細粒子 / DCPD |
Research Abstract |
材料表面における正確な組成分析を目的に、低エネルギーイオンビームプローブを応用した高精度分析システムの構築を行った.200keVイオンビーム照射装置を基に,Si-PIN X線検出器を利用したPIXE分析系を構築した.通常5MeV程度の高エネルギーイオンビームを利用するPIXE分析法に対し,低エネルギーイオンビームを用いた場合の特性X線発生効率を評価した.照射イオンのエネルギー,照射量を変化させ,特性X線発生量を計測した.100keV近傍の低エネルギーの陽子を用いる本PIXE分析システムにおける特性X線発生効率のエネルギー依存性について詳細な実験結加果を取得した。特性X線発生効率の急激な変動から本装置が材料表面に高感度な分析が可能であることが示された. 構築された分析システムを用いて対象とする微粒子試料であるDCPD試料の解析を試みた.環境中に存在する微粒子の分析はその挙動を解析する上で非常に重要となる.しかしながら既存分析装置では,その表面に着目した解析が困難であり,微粒子の挙動を決定する上で重要となる試料表面の状態について,十分な実験データが得られていない.本研究で構築している低エネルギーイオンビームを用いた分析システムは,低エネルギーのイオンが持つ特性から材料表面層に限定した解析を行うことが可能となる.本分析の試行においては,詳細な解析には当たらないが,異なる状態をもつDCPD関連試料から得られる信号の強度に違いを見出すことが可能となった. 今後,微粒子材料を対象とした表面分析に合わせて照射システムを最適化し,材料表面の元素分布の計測を試験する.低エネルギーイオンビームプローブが持つ特性を活用して,材料界面状態を取得信号から評価する分析についてシステムの構築を行い,取得データを用いた考察を行う.
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