2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00730
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
豊福 雅典 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脱窒 / 緑膿菌 / Pseudomonas quinolone signal / 微生物細胞間シグナル伝達 / 微生物細胞間シグナル化合物 / 微生物間コミュニケーション / 廃水処理 / 硝化 |
Research Abstract |
廃水処理は脱窒など微生物に依存した処理工程で行われている。そこで、廃水処理を効率かつ安定的に行うには、微生物がどのように廃水処理能力を調節しているのか解析する必要がある。前年度までにPseudomonas aeruginosaが生産する微生物細胞間シグナル化合物が脱窒を抑制することを明らかにした。今年度の研究では、さらにその微生物細胞間シグナル化合物がP.aeruginosa以外の幅広い細菌群の生育を抑制していることを明らかにした。以上の結果を踏まえると、排水処理過程において脱窒活性を上昇させるには、微生物細胞間シグナル化合物の生産を制御する必要があると思われる。そこで、微生物細胞間シグナル化合物の生産を制御する化合物を探索した結果、鉄あるいはインドールとその誘導体によりシグナル化合物の生産が抑制されることを見出した。 さらに、廃水中の窒素の処理には脱窒とセットで細菌の硝化能力も用いられているため、排水処理過程全体の効率化を踏まえ、硝化活性が微生物細胞間シグナル物質によって制御できないか試みた。硝化活性汚泥にシグナル物質を添加して調べた結果、特定のシグナル物質において硝化活性が上昇することが確認された。その詳細なメカニズムについてはいまのところ未知であるが、硝化反応は廃水処理過程の中で律速反応となりやすいためにこの結果は大きな廃水処理過程の効率化に貢献すると思われる。
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Research Products
(9 results)