2008 Fiscal Year Annual Research Report
T2K長基線ニュートリノ振動実験における電子ニュートリノ出現モードの探索
Project/Area Number |
08J00788
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 一 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | T2K / ニュートリノ振動 / ビームモニター |
Research Abstract |
本年度、本研究の中心はT2K実験ミューオンモニター検出器の開発、製作、試験であった。T2K実験ではニュートリノビームを、後置検出器スーパーカミオカンデからわずかに離れた方角に向けることで、観測されるニュートリノのエネルギーをニュートリノ振動が最大になる領域に集中させる手法を用いる。しかし、この手法はニュートリノビーム方向を正確にモニターし、制御しなければ成り立たないものである。ミューオンモニター検出器は、ニュートリノビームの方向・強度を常時監視できる唯一の検出器であり、T2K実験に必要不可欠な検出器である。本年度の活動であるが、まず米国フェルミ研にて昨年度から継続していた試作機の長期安定性試験において検出器の安定性を確認した後、6月までにイオンチェンバー検出器の製作を完了させた。7月には京都大学化学研究所100MeV電子線形加速器を用いてイオンチェンバー実機の試験を行い、全チャンネルの正常動作を確認した。試験を終えたイオンチェンバー検出器を実験場所である茨城県東海村のJ-PARCに運搬し、秋からは検出器架台への組み入れとガス温度・圧力制御試験および駆動機構の試験を行い、2月に検出器設置場所へのインストールを完了した。2月、3月にはケーブル配線、ガス配管、読み出しの較正、ソフトウェア整備等を行い、全モニターシステムを予定通り本年度内に完成させた。ミューオンモニター検出器は4月からのビーム調整運転から活用される予定である。
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Research Products
(1 results)