2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィ推論の基礎的性質の解明とその応用に関する研究
Project/Area Number |
08J00797
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関 宏理 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ファジイ推論 / T-S推論法 / 簡略化ファジィ推論法 / SIRMs結合型ファジィ推論法 / SIC推論法 / 等価性 / 単調性 / 医療診断 |
Research Abstract |
従来のファジィ推論よりも大幅に規則数を削減可能にした単一入力ルール群結合型ファジィ推論法(SIRMs推論法)は様々な制御へ応用され良好な結果を得ているものの,規則数の少なさから,一般的には得られる推論値は単調なものとなってしまう.また,従来のファジィ推論法と単一入力型推論法との関係や基礎的性質の解明は行われていない.そこで本年度は以下の研究を行った. 1.SIRMs推論法の拡張法として昨年提案したニューラルネットワーク型SIRMs推論法(NN-SIRMs推論法)とカーネル型推論法を1編の学術論文と1編の著書にまとめた.また2つの推論法の性能比較とラフ集合の適用可能性についてを述べた. 2.従来のファジィ推論法と単一入力型推論法の間の等価性を明らかにした.また,単一入力型推論法であるSIRMs推論法とSIC推論法の間の等価性とその十分条件についても明らかにした. 3.昨年行った単調性に関する研究を1編の論文にまとめた.さらに,その結果とファジィ推論の等価性の性質から,代数積-加算-重心法などの推論法にも,規則が単調性を持ったとしても,必ずしもその推論値が単調性を持たない可能性があることを述べた. 4.ファジィ推論法による医療診断システムの構築を行った.NN-SIRMs推論法の一般化を提案し,鼻咽腔癌予測モデルの構築,糖尿病と肝臓病の診断システムの構築を行い,良好な結果を得ることができた.また,SIRMs推論法の拡張法の一つにモジュラーファジィモデルが存在するが,この推論法を非線形関数のモデリングと医療診断システムの構築の2つを行った.その結果,非線形関数の同定に関しては良好な結果を得たものの,医療診断ではすべての規則を用いた場合は必ずしも良好な結果をえられなかった.このことから,不必要な規則を削減することにより,良好な結果が得られる適用可能性を示した.
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Research Products
(13 results)