2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗老化分子SIRT1活性調節による腎障害抑制への可能性の検討
Project/Area Number |
08J00825
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
久米 真司 Shiga University of Medical Science, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 老化 / ミトコンドリア / 低酸素 / オートファジー |
Research Abstract |
カロリー制限状態で活性化される抗老化分子SIRT1(ClassIII脱アセチル化酵素)に着目し、カロリー制限による加齢に伴う腎障害の抑制機構の解明を行い、SIRT1活性化による新たな加齢腎病変に対する治療戦略の可能性を検討した。加齢腎(24ヶ月齢マウス腎)では、SIRT1発現、活性の有意な低下とともにミトコンドリア異常(異常ミトコンドリアの蓄積およびミトコンドリア数の減少)を伴っており、これらの異常はカロリー制限により改善した。SIRT1^<+/->マウスを用いた検討から、加齢腎でのミトコンドリア異常には、腎内低酸素状態でのSIRT1活性の低下を介した細胞内浄化機構autophagy活性の低下が関与しうる事が明らかとなった。更に、培養細胞系を用い、これら分子機構の解明を行った結果、SIRT1は核内転写因子FOXO3の脱アセチル化を介した転写活性の活性化をもたらし、Autophagy誘導分子Bnip3を発現増強することが明らかとなった。これらの結果から、SIRT1-FOXO3-Bnip3経路の低酸素状態におけるautophagy制御という、新たなストレ応答機能としての役割が示されると共に、SIRT1が加齢腎病態の形成に深く関わるミトコンドリア異常の制御因子である事、その活性化が加齢病態のCR mimeticとして働き、カロリー制限による腎保護機構に係わり得る事が明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
久米真司
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Journal Title
【寿命関連因子と糖代謝】抗老化分子SIRT1による腎保護作用(内分泌・糖尿病科)
Pages: 507-514
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