2008 Fiscal Year Annual Research Report
LSIめっきにおける逆解析を用いた無侵襲リアルタイムモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
08J00849
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 喜直 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 逆問題 / 無侵襲計測 / 電磁気応用計測 / LSI製造技術 / 電気めっき / 電気化学 / 有限要素法 / 境界要素法 |
Research Abstract |
電気銅めっきはLSIの製造において,ナノスケールの微細な配線からマイクロスケールのバンプなどの比較的大きい構造部品を形成するために利用されており,ますます重要な役割を担っている.これら多様な用途それぞれに対して最適な電気めっきを行うためには,めっきの仕上がり具合を支配するめっき表面上の電流密度を常時監視し,制御することが不可欠である.本研究では電気めっき中の電流密度の監視に重点を置き,めっき槽内の電場により誘起する磁束密度を槽外で測定し,逆解析することでめっき表面上の電流密度を推定する手法を開発した.本手法はめっきの条件に応じてリアルタイムで適用でき,得られた電流密度を制御にフィードバックできる.本年度の研究成果を以下に示す. 1.本手法の逆解析において生じる非適切問題の適切化法を新たに開発した.特に,適切化法における適切化量の決定問題を統計学的手法を用いることで解決した.得られた知見は,本手法に限らず種々の不適切問題に対しても適用できると考えれる. 2.逆解析に必要な電磁場の数理モデルの計算に有限要素法および境界要素法を応用し,任意形状のめっき槽に適用できるように本手法を発展させた.本計算手法は電場の領域積分を境界積分に変換することで,従来手法よりも高精度かつ高速に磁束密度を求められる工夫をしており,種々の電磁場の計算にも適用できると考えられる. 3.電気銅めっき装置を製作し,本手法の検証実験を行った.本実験結果は本手法が実際のLSIウェハの電気めっきに対して十分に適用できることを示した. 現在および来年度にかけて,本研究で得られた成果をカナダ国Simon Fraser大学のAsh M.Parameswaran教授が進める脳磁計の研究開発プロジェクトに応用している.これまでに良好な結果が得られており,その成果を学会などで発表する予定である.
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Research Products
(3 results)