2008 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線偏光観測による銀河系中心部の磁場構造の解明
Project/Area Number |
08J00868
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 正吾 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光学赤外線天文学 / 偏光 / 磁場 / 銀河系 / 星間塵 |
Research Abstract |
本研究の目的は、銀河系中心領域の近赤外線偏光観測により、磁場構造を解明することにある。本年度の研究業績をまとめると、査読論文が6本(うち共著3本)、研究会抄録1本、学会および研究会の発表6件(うち国際研究会1件)である。また、2009年春季天文学会において記者発表を行い、産経新聞、日経新聞、時事通信などに取り上げられた。また、科学雑誌「ニュートン」2009年6月号にも関連記事が掲載された。本研究課題を遂行するための重要な第一歩として、The Astrophysical Journal誌「Magnetic Field Configuration at the Galactic Center Investigated by Wide Field Near-Infrared Polarimetry」という論文を発表した。これは、近赤外線の偏光観測によって銀河系中心領域の磁場構造を調べるための手法を詳細に述べたものである。銀河系の中心より遠くにある星と近くにある星の偏光を比較することにより、中心部で生じている偏光の情報を取り出す。この偏光情報には、中心部の磁場の情報が含まれている。このような解析を広範囲にわたって行うことで、銀河系中心部の広域な磁場構造を知ることができる。この方法は、過去に行われてきた同様の目的の研究とはまったく異なる手法である。論文の中ではこの新たな方法を用いて、中心に近い、狭い領域の磁場構造を調べ、過去の研究と比較し、その方法の信頼性を示した。今後は、より広い領域の観測を行う。そのデータに、この論文で示した方法を適用し、銀河系中心部全体の磁場構造を調べていく。
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Research Products
(5 results)