2008 Fiscal Year Annual Research Report
自由確率論におけるレヴィ過程の諸性質及び無限分解可能分布についての研究
Project/Area Number |
08J00876
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐久間 紀佳 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Free probability / infinitely divisible distributions / Levy processes / Random matrices / Free convolution / Generalized gamma convolutions / 国際情報交換 / メキシコ:フランス:ポーランド:ドイツ |
Research Abstract |
研究目的の一つである無限分解可能分布のサブクラスの一つである「クラスT」の自由確率における対応物の研究を開始した。その研究計画予定にあったシンガポールでのフィールドワークでVictor Perez-Abreu氏と研究打ち合わせを行った。その結果は論文「Free generalized gamma convolutions」にまとめ論文として投稿、受理、出版された。この論文で自由確率におけるクラスTに属する分布の自由キュムラントと呼ばれる解析的表現での特徴づけを行った。その結果、指数分布のコーシー変換でそのクラスTの自由キュムラントが特徴付けられた。自由確率における分布の解析的表現が特徴付けられることから新しい分布間の関係が見つかることがよくあるので、今後この表現をさらに精密に調べている。この関係から目標のひとつである分布変換の写像のアイデアについて議論を開始することができた。またこの論文ではランダム行列モデルからのクラスTの解析を行った。これにより本年度の目標であった、「クラスT」の極限定理による定義と確率積分による定義が古典的な場合と自由確率の場合の表現がきれいに対応しており、それは近似するランダム行列モデルまで含めて、対応しているということが分かった。これは今まで他のクラスで知られていた結果より一歩踏み込んだことを言っている、部分であり非常に重要である。また、本年度の計画の「クラスB」の計算は多少困難であり、翌年度の計画にあったタイプG分布の自由確率における対応物のほうが特徴づけしやすい見通しが立った。そのためタイプG分布の研究を先に開始した。それにあたってフランスのトゥールーズ大学第3から招待を受け講演を行いランダム行列モデルについての意見交換をおこなった。
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Research Products
(9 results)