2009 Fiscal Year Annual Research Report
自由確率論におけるレヴィ過程の諸性質及び無限分解可能分布についての研究
Project/Area Number |
08J00876
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐久間 紀佳 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自由確率論 / 無限分解可能分布 / レヴィ過程 / 国際研究者交流 / メキシコ / ドイツ / ポーランド / フランス |
Research Abstract |
自由確率論における無限分解可能分布に従う正規分布の分散混合「タイプG分布」の対応物について具体的な分布の計算からスタートして、あらゆる手法を駆使し、自由確率変数の積が引き起こす古典確率における確率変数の積構造との差異についてわかったことをまとめて投稿することを今年の研究計画として挙げていた。 実際に本年度は上の計画通り、「タイプG分布」の対応物について自由確率論における定義をおこない、具体例から一般的な結果を得ることができ、それを論文としてまとめ投稿中である。 本結果では自由確率論における半円分布の自由積畳みこみと自由無限分解可能性を一般的に論じた。確率論におけるよく知られている結果を基にしたアイデアであるが、自由確率論では今まで扱われていなかった発想であった。いまま類似した例のあまりない結果であり、ランダム行列の積のスペクトル分布にかかわる分野への応用の可能性も秘めている。 本年度の研究により多くの新しく深い研究への道が開けたことが何より重要なインパクトであると考える。2つ程度例をあげる。一つ目はこの結果からある分布を自由積畳み込みにより分解できるか?ということが極めて本質的な問題であることであることを発見した。そのことを今後深く研究して行くことでより本質をとらえることが重要な研究テーマになるだろう。二つ目に、この分散混合モデルに時間パラメーターを入れることで研究の目標の一つである、従属操作の自由確率論における対応を発見できる可能性があると思われる。
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Research Products
(6 results)