2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気チェレンコフ望遠鏡を用いた活動銀河核からのガンマ線放射の時間変動観測
Project/Area Number |
08J00938
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水上 拓 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 超高エネルギーガンマ線 / 銀河中心 / パルサー風星雲 |
Research Abstract |
私は当該年度の研究で、活動銀河核の時間変動の物理的な過程を明らかにするために、同じく超巨大ブラックホールでありながら輝度のそれほど高くない天の川銀河の中心の観測データの解析を行なった。この結果有意に超高エネルギーガンマ線の放射を確認し、天の川銀河の中心に存在する超巨大ブラックホール近傍でも粒子加速が起こっていることを明らかにした。しかし天の川銀河の中心領域は多くの高エネルギー天体の含む領域であり我々の角度分解能ではそれぞれを分離することは不可能であり、現在多波長エネルギースペクトルからどの天体がガンマ線の放射天体かを議論中である。また同時に系内の宇宙線加速源として有力なHESS J1614-518の観測を今年度行ない、観測データの解析を行なった結果、有意にガンマ線の放射を検出した。この天体からは日本の天文衛星Suzakuによって広がったX線放射も検出されており、両者の結果から私はこの放射がパルサー風星雲からの電子を起源とする放射で説明し物理学会年次大会で発表を行なった。 次に様々な活動銀河核からの放射を系統的に議論するために、望遠鏡の読み出しエレクトロニクスの改良を行なっている。私の過去の研究によりこの改良で望遠鏡の感度は約2倍になることが予想されている。現在1GHz、10bitという性能で光電子増倍管からの波形を記録できる集積回路を作成することに成功し、実用化に向けて読み出しの簡略化、装置の小型化を行なっている。
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Research Products
(7 results)