2008 Fiscal Year Annual Research Report
広視野MeVガンマ線カメラを用いた長期気球実験による銀河面探査
Project/Area Number |
08J00940
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒澤 俊介 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | LaBr3(Ce) / コンプトンカメラ / ガンマ線天文学 / ガス検出器 / 光電子増倍管 / シンチレータ / GSO(Ce) / μ-PIC |
Research Abstract |
われわれは天文観測などに向けたカンマ線コンプトンカメラの開発を行っており、現在その角度分解能の向上が課題のひとつとなっている。角度分解能を改良するには、カメラの一部であるシンチレータのエネルギー分解能を向上させることが効率的である。そこで今まで使用してきたGSO(Ce)シンチレータからLaBr3(Ce)に換えてみた。LaBr3(Ce)はシングルアノード光電子増倍管(PMT)測定でエネルギー分解能(FWHM)が662keVにおいて約3%と、他のシンチレータと比べて非常に良いエネルギー分解能を有する。ただし強い潮解性があり、コンプトンカメラに必要な位置感度を持たせるためのピクセルシンチレータアレイの加工には困難が伴う。 そこで加工技術の検討を行い、独自の製法を確立し、LaBr3(Ce)のアレイ化に成功した。また初めて作製したアレイは、潮解性を防ぐパッケージが大きかったが、アレイを並べてコンプトンカメラに組み込むことから、デッドスペースがパッケージのないGSOアレイをコンプトンカメラに組み込んだときと同じ程度のコンパクトなパッケージにする技術も確立して、今までに9個のアレイを作製した。これらのアレイの平均エネルギー分解能(FWHM)は、マルチアノードPMT(浜松ホトニクス製)を用いて662keVで5.8±0.9%で、GSOの10.8±1.0%よりも向上した。また662keVでのコンプトンカメラの角度分解能(FWHM)はGSOアレイ搭載時に6.4±0.2度だったのがLaBr3(Ce)搭載で4.2±0.3度まで達成した。
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Research Products
(11 results)