2008 Fiscal Year Annual Research Report
光格子中における中性フェルミ原子の高温超流動状態の研究
Project/Area Number |
08J00949
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
素川 靖司 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子縮退原子気体 / 光格子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、量子縮退イッテルビウム原子を用いて、光格子中の中性フェルミ原子の超流動状態を研究することである。本年度の主な達成事項として、二点挙げられる。一つは、安定な3次元光格子の作成に成功したことである。これによって、統計性の異なるさまざまな量子縮退イッテルビウム原子気体を3次元光格子へ導入することが可能となった。二つ目は、光格子中の原子集団をプローブする方法、およびその技術の確立である。まず、イッテルビウムのボース同位体である174Ybのボース・アインシュタイン凝縮体を3次元光格子に導入した系では、多重物質波干渉を観測することで、ボソンの超流動-モット絶縁体転移を実現した。また、1光子光会合を用いることで、モット絶縁体状態での格子中の占有数を調べた。さらに、イッテルビウムの特徴の一つであるISO状態-3P2状態間の超狭線幅の光学遷移を用いた高分解能分光を行って、モット絶縁体状態におけるモット・シェル構造を分光して、そのエネルギースペクトルを得ることにも成功した。さらに、ボース・フェルミ混合量子縮退を3次元光格子へ導入した系を作り、フェルミオンの影響を調べた。ボソン・フェルミオン間が斥力相互作用する174Yb-173Ybボース・フェルミ混合量子縮退と引力相互作用する170Yb-173Ybボース・フェルミ混合量子縮退を用意して、それぞれ3次元光格子へ導入して、ボソンの多重物質波干渉を観測することで混合系とボソン単体の場合との比較した。
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