2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00982
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
玉置 應子 Waseda University, スポーツ科学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 手続的記憶 / 運動学習 / 睡眠紡錘波 / fast spindle / slow spindle / 徐波 / 記憶 / 学習 |
Research Abstract |
本年度は,新しく獲得された手続的記憶の睡眠における再構築と定着のメカニズムについて睡眠紡錘波と徐波の活動に着目し検討を進めた。睡眠紡錘波はfast spindleとslow spindleの2種類に分類されるが,いずれの睡眠紡錘波が手続的記憶の定着に関与しているか明らかではない。そこで我々は,各spindleの活動性(出現数,出現密度,振幅値,持続時間)を,学習を行った条件(学習夜)と学習を行っていない条件(非学習夜)とで比較検討した。その結果fast spindleの出現密度,振幅値,持続時間と運動技能の課題成績の向上率との間に有意な正の相関関係が認められ,また学習夜で非学習夜と比較し,高振幅,長持続であった。一方で課題成績の向上率とslow spindleとの間に有意な関係はみられなかった。このことから2種類の睡眠紡錘波の中でもfast spindleの活動性が運動技能の向上に関与していると考えられた。この成果はJournal SLEEPに掲載された。さらにfast spindleを構成する波の電位振幅値の条件間の差分を求めsLORETAで電流発生源を推定したところ,左運動前夜および左頭頂連合野の2部位に推定された。この2部位は視覚運動学習に関わる部位であることからfast spindleの活動性増大は視覚運動技能の向上をもたらす脳の可塑的な変化に寄与すると考えられた。この成果はClinical Neurophysiologyに受理され,現在印刷中である。さらに,睡眠紡錘波に加え徐波活動の手続的記憶への貢献についてイメージング技法を用いて検討を進めている。脳磁図の活動と構造的MRI情報を組み合わせた,高い時間空間分解能を有する方法を採用し,より精度の高い推定を行っている。この成果はThe Society for Neuroscienceで発表した。
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Research Products
(9 results)