2009 Fiscal Year Annual Research Report
二粒系コムギとタルホコムギの交雑個体でみられる生育不良に関する遺伝解析
Project/Area Number |
08J00983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 信之 Kobe University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイブリッドネクローシス / 合成パンコムギ / 生殖隔離 |
Research Abstract |
正常生育系統(WT)系統とtype Iネクローシス系統及びtype IIネクローシス系統を両親にして作出したのF_2世代を用いて、タルホコムギ側の原因遺伝子のマッピングを行った。F_2集団の分離からtype Iネクローシス及びtype IIネクローシスの原因遺伝子はそれぞれ単一の優性及び劣性の遺伝子が関与していることが明らかになった。また、SSRマーカーを用いてtype Iネクローシス及びtype IIネクローシスの原因遺伝子NetI-1、NetII-1をマッピングしたところ、それぞれ7D及び2D染色体短腕に座乗していることが明らかになった。type IIネクローシス系統は低温条件下では成長が抑制されることから、低温処理によって茎頂分裂組織に何らかの異常がおこっていると考えられる。type IIネクローシス系統で特異的に異なる発現パターンを示す遺伝子の探索するために、Agilent社のコムギ38Kアレイを用いてマイクロアレイ解析を行い、正常生育系統(WT)とtype IIネクローシス系統の茎頂分裂組織を含むクラウン領域での発現パターンの比較を行った。その結果、WT系統に比べtype IIネクローシス系統で発現が誘導されている遺伝子では病害抵抗性関連遺伝子が多く、抑制されている遺伝子としては細胞分裂に関連する遺伝子が多かった。マイクロアレイ解析の結果から、type IIネクローシス系統は低温条件下で茎頂分裂組織の細胞分裂の異常が原因で生育が抑制されることが示唆された。これらの細胞分裂の異常により細胞死が加速しているのではないかと考えられる。
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Research Products
(5 results)