2008 Fiscal Year Annual Research Report
二粒系コムギとタルホコムギの交雑個体でみられる生育不良に関する遺伝解析
Project/Area Number |
08J00983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 信之 Kobe University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝解析 / ハイブリッドネクローシス / 合成コムギ / 種分化 |
Research Abstract |
タルホコムギの集団構造を推定するために、AFLPデータを基に近隣結合法によって系統樹の作成及びSTRUCTURE解析を行った。さらにその集団構造をもとにハイブリッドネクローシス原因遺伝子の地理的及び集団中の分布について研究を行った。その結果、タルホコムギ集団は大きく二つのLineageに分けるごとができ、さらにそれぞれ6つ及び3つのサブグループに分かれることがわかった。生育不良を起こす系統は2つのLineageにきれいにわかれることから、それぞれの生育不良を起こす遺伝子は2つのLineageが分かれてから成立したと考えられる。次にネクローシスを起こした葉で特異的に発現している遺伝子の探索を行うために、Agilent社のコムギ38Kアレイを用いてマイクロアレイ解析を行った。さらにマイクロアレイ解析に結果を確かめるために、RT-PCR及びReal-time RT-PCR法によって発現解析を行った。その結果、約70%の遺伝子についてマイクロアレイの結果が発現解析で再現でき、マイクロアレイ解析の結果は信頼できるものであると考えられる。またWT系統に比べ、type Iネクローシスを起こしている系統の葉では、多くの病害抵抗性関連遺伝子の発現が誘導されていた。一方、光合成関連遺伝子の多くは発現が抑制されていた。マイクロアレイの結果から、シロイヌナズナで報告されているハイブリッドネクローシスと同様に、多くの病害抵抗性関連遺伝子の発現誘導されており、type Iネクローシス系統の葉では過敏感細胞死様の細胞死がおこっていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)