2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01009
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
市川 誠司 Toyo University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クラゲ / 非定常 / 渦輪 / 循環 / 推進力 / 円板モデル |
Research Abstract |
本年度は、クラゲが傘先端の非定常なスナップ運動を行った時に加速し、渦輪を傘先端から放出する現象に着目した。クラゲが加速運動を行った時にどのくらい推進力を得ているかを直接計測できないためモデル実験を行い、その結果よりクラゲの得た推進力を見積もった。円板モデルをクラゲモデルとして扱い、水中で既知の力を与え運動した円板が形成する流れ場を計測することによって、与えた力と形成された流れ場との関係を明らかにした。円板は停止状態から加速しながら落下する。その時、円板は渦輪を後方に放出する。渦輪の発生は物体運動の反力と考えられるので、発生した渦輪のエネルギーは運動により与えられたエネルギーと同等といえる。このことから、円板が放出した渦輪の循環を計測し渦輪発生に与えた力との関係を調べた。円板周りの流れ場を撮影した画像から落下時にかける荷重が大きくなるほど円板後方に形成される渦の回転速度が速くなっていることが確認できた。また、渦中心間距離はほぼ変化していないことがわかった。ここで、定常運動する単独渦輪のエネルギーの関係式と照らし合わせると渦輪のエネルギーは循環の2乗に比例する。その関係と実験より得られた循環と渦輪の形成に用いた力との関係を比較した。その結果より、円板の落下時に与える荷重が大きくなるにつれ、その運動によって形成される渦輪の循環が強くなっていることがわかった。また傾きから、循環は単位時間あたりのエネルギーの1/2乗に比例していると考えられる。このことから、クラゲのスナップ運動によって発生した渦輪の循環4.3×10-5m2/sを用いて、クラゲの生み出した力を6.9×10-4Nと見積もった。この値は我々がこれまでに行った、クラゲの運動解析より求めたクラゲの得た推進力と抗力との差と同等のオーダーの結果が得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 出発渦輪2008
Author(s)
市川誠司
Organizer
第2回共生ロボット研究センター公開シンポジウム
Place of Presentation
川越, 東洋大学
Year and Date
2008-07-26