2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリンピンサー型錯体を基盤とした新規機能性分子の開発
Project/Area Number |
08J01049
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 滋 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ポルフィリン / 白金 / 還元的脱離 / ルテニウム / η2πアレーン錯体 / π-π相互作用 / 支持配位子 / 酸化 |
Research Abstract |
本研究ではポルフィリンの環外部に設けた配位場での錯化とその錯体の性質解明・機能化を行っている。基本となるポルフィリンはイリジウム触媒による位置選択的直接ホウ素化、つづく鈴木・宮浦クロスカップリング反応によりβ位にピリジル基を導入したものである。今回は白金およびルテニウムでの錯化に成功し、その構造・性質を明らかにした。白金錯体はβジピリジルポルフィリンと塩化白金酸カリウムとを反応させることにより得られた。これを酸化することにより白金4価錯体の合成に成功し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかにした。また白金上の配位子を塩素からフェニル基に変換したものを酸化すると、還元的脱離によりメゾ位にフェニル基を持つポルフィリンが得られることを見出した。ルテニウム錯体はルテニウムターピリジルカチオンとβモノピリジルポルフィリンを反応させることで得られた。X線結晶構造解析により得られた錯体がη2π錯体であることを明らかにした。η2πアレーン錯体は通常合成困難であることが知られている。問題となるのは位置選択性とη2π配位の弱さである。今回、η2ポルフィリンπ錯体が合成できた要因がピリジル基による位置選択的錯化、およびターピリジンとポルフィリン間のπ-π相互作用によるη2π配位の安定化によるものであることを明らかにした。ターピリジン上に官能基を導入しても錯体が合成できること、またポルフィリンの中心の空孔での錯化をη2π配位を壊さずに達成できることを明らかにした。
|
Research Products
(5 results)