2009 Fiscal Year Annual Research Report
圏論の概念的手法に基づく、数理論理学の諸分科間の有機的関連による研究
Project/Area Number |
08J01064
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 憲太郎 Kobe University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 双模倣 / 集合のグラフ表現 / 計算量理論 / 二種限定算術 / 類理論 / 二階算術 / 弱い集合論 / 数学基礎論 |
Research Abstract |
双模倣及び集合のグラフ表現の両概念に拠り,数理論理学の複数の分科で研究される諸体系を,弱い集合論を用いて統一及び比較する研究に重点的に取り組んだ. 特にこの目標に向けて,計算量理論の分科で研究される二種限定算術(two-sorted bounded arithmetic)についての研究を,既に成熟した分科として確立している二階算術(second order arithmetic)の研究を参考に推し進め,幾つかの結果を得た上で,上述の弱い集合論を用いて二階算術の研究と統一,比較した結果,論理体系における有限と無限の構造の違いを明瞭に示すことに成功した.この違いは,二種限定算術の研究は二階算術の研究を参考に進めることは出来るものの,全く同様には出来ず,かなりの部分で類似性が崩れるということも意味している.この結果は,論文として纏め投稿した外,国内外で口頭発表した. 更に,同様の方法による研究の有望な適用先として,類理論(class theory)の(二階算術を参考とした)研究を見出し,まだ論文として纏めてはいないが,幾つかの結果を得た.この結果も,類理論の研究が確立された二階算術(及び二種限定算術)の研究を参考にできるものの,全く同様という訳には行かず,重要な定理の一部では類似性が大きく崩れていることを意味する.この意味で,類理論の研究が自明ではなく,非常に興味深い研究対象であることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)