2009 Fiscal Year Annual Research Report
安全性と柔軟性を両立するフレキシブルプライベートネットワークの実現
Project/Area Number |
08J01069
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
鈴木 秀和 Meijo University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | フレキシブルプライベートネットワーク / 通信グループ / 位置透過性 / 移動透過性 / NAT越え / ユビキタスネットワーク / 暗号化通信 |
Research Abstract |
平成21年度は,主に平成20年度で未完成であったGSCIPv4およびGSCIPv6の実装を行った.位置透過性を実現するプロトコルDPRPを拡張し,移動透過性を実現するMobile PPCとアドレス空間透過性を実現するNAT-fを統合することによりGSCIPv4を実現した.本成果によりIPv4環境においてもユビキタスネットワークで要求される柔軟かつ安全な通信が可能であることを示したもので,その意義は大きい. 本研究で提案しているフレキシブルプライベートネットワークの通信グループの概念を端末単位からサービス単位へと拡張させることにより,従来のNAT越えシステムより安全かつ柔軟なアクセス制御およびサービス制御を実現できることを提案した.その結果,セキュリティを保ちつつ,低遅延・高スループットを実現できることを確認し,高い評価を受けた(受賞2件). IPv6に対応したGSCIPv6は昨年度に引き続き,Mobile PPCを中心に移植作業を行った.動作検証の結果,当初の予想より通信断絶時間が長かったため,移動検知方法の変更と重複アドレスを検出しながらその確認処理を回避する方式を提案した.実際の無線環境下でハンドオーバを行った結果,提案方式の通信断絶時間は約3秒となり,従来技術(Mobile IPv6)の4~5秒を上回る性能が得られた.なお,上記通信断絶時間の短縮を実現する点は当初の計画には無かったため,GSCIP全体のIPv6対応化(特にDPRP)を完成することはできなかったが,現在もIPv6化の作業は継続中である. 本研究で実装したプロトコルはFreeBSDを中心に実装してきたが,本成果を普及させるためにWindowsとLinuxへの移植を開始した.Linuxへの移植は一部完了しており,動作確認できる状態にあるため,準備が整い次第,公開を予定している.
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Research Products
(16 results)