2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 大介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブレーンワールド模型 / 超弦理論的宇宙論 |
Research Abstract |
高余剰次元ブレーンは、ブレーンが十分薄いという従来の近似が破れ、時空は特異点を持つ。これを回避するため、私は新しいアプローチとして高次の曲率補正を導入したときの作用を正準形式への書き換えを行い、ブレーン上の境界項に新しい物質分布を考えることが可能になった。この研究はパリ大学のN.Deruelle教授、基礎物理学研究所の佐々木節教授、仙洞田雄一氏との共同研究である。 また、弦理論、M理論の観測可能性の研究として、弦理論的ランドスケープ中での宇宙背景輻射(CMB)スペクトルへの影響について研究を行った。弦理論は、宇宙全体には賜しい数の準安定な真空が存在し、我々の宇宙は量子的なトンネル効果で生成することから微小に開いた宇宙になりえることを予言する。我々は詳細にCMBのスペクトルを計算し、弦理論の観測可能性を探る。この研究はStanford大学のA.Linde教授、基礎物理学研究所の佐々木節教授、田中貴浩教授、成子篤氏との共同研究である。 弦理論的宇宙像の異なる観測的側面として、宇宙紐の観測的制限について研究を行った。これまで宇宙紐は多くの研究がなされているが、弦理論的インフレーションモデルを考えると、弦理論に含まれるF弦やD弦などの新しいタイプの宇宙紐ができ得ることが示された。特に、我々は近年観測的に重要な要素をして注目されているCMB温度揺らぎのガウス分布からのズレがどの程度生成されるかを解析的に見積もった。この研究は、名古屋大学の高橋慶太郎助教、APCTPの柳哲文氏、基礎物理学研究所の佐々木節教授、仙洞田雄一氏、成子篤氏との共同研究である。
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Research Products
(4 results)