2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 大介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論的宇宙論 / 宇宙ひも / 宇宙超ひも / 高階曲率補正 / 超弦理論的ランドスケープ |
Research Abstract |
高余剰次元ブレーンは超弦理論の枠内においては正則に扱える物体であるので、超弦理論的な補正項を加えることで正則化できることが期待される。そこで私は、パリ第7大学のDeruelle教授、基礎物理学研究所の佐々木教授、仙洞田氏と共同で一般の曲率補正項を含むf(Riemann)重力理論を提唱し、解析の第一歩としてハミルトン形式で書き下すことに成功した(研究発表,[雑誌論文1[2])。 また一方で、超弦理論的宇宙論の観測可能性について、「宇宙(超)ひも」、「ランドスケープ」という2つの異なる観点から研究を進めている。 宇宙超ひもは、超弦理論的宇宙論から示唆される宇宙初期の加速膨張=インフレーション期の最終段階で生成され、現在まで存在していることが期待されるひも状の物体である。宇宙超ひもへの観測的アプローチは現在あまり注目されていないが、将来計画されている観測によって非常に重要な示唆が得られる可能性がある。特に、名古屋大学の高橋助教、APCTPの柳氏、基礎物理学研究所の佐々木教授、仙洞田氏、成子氏と共同で、宇宙超ひもによって宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)に非ガウス性が生じることを指摘し、その要因を特徴づけた(研究発表,[雑誌論文][1])。また現在、新たな非ガウス性の要因を見出し、その宇宙論的な示唆について解析を進めており、論文にまとめている。 また、超弦理論から導かれる宇宙像として「ランドスケープ」が知られている。我々はこの描像に立ち、詳細にCMBスペクトルを計算することで弦理論の痕跡を探す研究を行っている。この研究はStanford大学のLinde教授、基礎物理学研究所の佐々木教授、田中教授、成子氏との共同研究である。
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Research Products
(7 results)