2008 Fiscal Year Annual Research Report
7回膜貫通G蛋白質共役型受容体のパルミトイルトランスフェラーゼの解析
Project/Area Number |
08J01121
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 祐介 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パルミトイル化 / パルミトイルトランスフェラーゼ / 7回膜貫通G蛋白質共役型受容体 / スフィンゴシン1-リン酸 / DHHC蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
7回膜貫通G蛋白質共役型受容体(GPCR)は翻訳後にシステイン残基を介してパルミチン酸が付加されるパルミトイル化を受けている。GPCRのパルミトイル化は細胞膜発現やシグナル伝達,脱感作に重要であることが報告されているものの,GPCRのパルミトイル化を担う酵素は未だ不明である。近年,DHHCシステインリッチドメインを持つ蛋白質(DHHC蛋白質)ファミリーがパルミトイルトランスフェラーゼ(PAT)であることが明らかとなってきた。そこで本研究では,DHHC蛋白質のよるGPCRのパルミトイル化を解析し,GPCRに対するPATの基質特異性,PATによるGPCRの機能制御機構を明らかにすることを目指して研究を行った。我々は,これまでに解析を行ってきたスフィンゴシン1-リン酸(S1P)の受容体(GPCRでありS1P_1-S1P_5の5種類が存在)のうちS1P_1についてはパルミトイル化の有無とその部位の特定,S1P_1のパルミトイル化がシグナル伝達や脱感作に重要であることを明らかにしていたが,今回新たにS1P_1-S1P_5もパルミトイル化を受けることを[^3H]パルミチン酸ラベル実験及びアシルビオチン交換法により明らかにした。 DHHC蛋白質はパルミトイル化を触媒する過程で,DHHC蛋白質自身がパルミトイル化された中間体を形成する。この中間体を検出することで,23種類ある哺乳類DHHC蛋白質のそれぞれのPAT活性を予測することを試みた。精製した各DHHC蛋白質と[^3H]パルミトイルCoAとの結合性を調べたところ,DHHC-2,-6,-10,-15がパルミトイルCoAとの結合性が高かった。このことから,これらはPAT活性を強く持っていることが示唆された。 また,NMDA受容体依存的なセリンラセマーゼの細胞膜への移行にO-アシル化か関与することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)