2009 Fiscal Year Annual Research Report
7回膜貫通G蛋白質共役型受容体のパルミトイルトランスフェラーゼの解析
Project/Area Number |
08J01121
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 祐介 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パルミトイル化 / 7回膜貫通G蛋白質共役型受容体 / 翻訳後修飾 / パルミトイルトランスフェラーゼ / DHHC蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
哺乳類に約千種類存在する7回膜貫通G蛋白質共役型受容体(GPCR)は,様々な特異的なリガンドによる刺激を受け取ることで,細胞内ヘシグナルを伝達する。多くのGPCRは翻訳後にパルミチン酸による修飾(パルミトイル化)を受け,受容体の細胞膜への発現や,シグナル伝達活性,脱感作過程などが制御されているが,GPCRのパルミトイル化を担う酵素は未だ不明である。DHHCシステインリッチドメインをもつ蛋白質(DHHC蛋白質)ファミリーがパルミトイルトランスフェラーゼ(PAT)であることが近年明らかとなってきたことから,本研究ではGPCRに対するDHHC蛋白質の基質特異性,GPCRの機能制御機構解明を目的とした。 前年度においてDHHC21がS1P_1のパルミトイル化を行っている可能性を示唆したが,哺乳類細胞に内在するDHHC蛋白質の機能の重複性からその解析は困難であった。そこで,遺伝子操作が容易であり,かつDHHC遺伝子を7種しか持たない酵母を実験モデル細胞として用いることで,DHHC蛋白質の基質特異性の解析を試みた。まず,DHHC遺伝子の単独欠損株,酵母DHHC蛋白質のなかで最も生育に重要であるakr1と他の6種の二重欠損株,およびakr1以外の6種を欠損させた六重変異株を作成した。akr1欠損株は温度感受性を示したが,ヒトDHHC蛋白質を導入し高温での生育の相補能を調べたところ,23種中14種のDHHCを導入したものではその生育が相補された。このことから,酵母に発現させたヒトDHHC蛋白質が正常に機能し,PAT活性を持つことが明らかとなった。そこで,これらの酵母を用い,ヒト由来の様々なGPCRとDHHC蛋白質を酵母に発現させることで,GPCRのPATの同定及びGPCRに対するDHHC蛋白質の基質特異性を解明していきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)