2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01129
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
山田 敦士 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 民族言語学 / モン・クメール語族 / 雲南省 / ワ族 / 言語接触 |
Research Abstract |
本年度前半は、これまでに得られている言語資料を整理しながら、研究対象である北方モン・クメール系言語の中で威信言語的立場にあるパラウク・ワ語の分析を重点的におこなった。その成果の一部として、日本言語学会(第136回大会)におけるワークショップで、品詞分類という通言語的な事象に対する事例報告および問題提起をおこなった。このワークショップにおける発表内容の一部は、対照的・類型論の観点から、「孤立的言語における名詞と動詞の相通性-中国語とパラウク・ワ語の対照から-」と題した論文(『アジア・アフリカの言語と言語学』3に所収)にまとめている。また、これまでに横断的に調査をおこなってきた北方モン・クメール系民族の言語データをもとに、プラン族の家畜利用について民族言語学的な分析をおこなった。その成果として、日本言語学会(第137回大会)においてポスター発表をおこなった。 現地調査への外的状況が整った12月後半、これまであまり情報の得られていなかった地域(特に中国雲南省西盟県、瀾滄県)に対する調査を実施した。この調査では、当地に分布する言語変異体の基礎資料を収集するとともに、キリスト教化した山地集落に対する予備的調査をおこなうことができた。後者のような調査はまだまだ端についたばかりであり短期的な成果は見込めないが、当地の言語文化動態を解釈するために大きな意義をもつはずである。準備を整えたうえで、次年度以降、さらなる調査をおこなうつもりである。
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Research Products
(3 results)