2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敦士 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 民族言語学 / 雲南省 / モン・クメール語族 / ワ族 / ワ語 |
Research Abstract |
1.活動概要 本年度は計画最終年度として、これまでの調査で収集した北方モン・クメール系諸民族の言語文化的一次資料の整理・分析をすすめるとともに、同系諸民族の威信的存在であるワ族(特に自称「パラウク」の集団)に関する言語記述および言語動態に関する研究成果の取りまとめをおこなった。 2.研究成果 研究成果として、「類似並列」という類型論的にも興味深い言語現象を扱った論文の投稿(『アジア・アフリカの言語と言語学』5号に所収)、フィールドの現状と課題に関する紹介・報告の寄稿(『FIELD+』5号に所収)をおこなった。また、国内外の研究大会にも参加し、情報交換及び研究成果の発表(2件)をおこなった。このうち、7月にフランスで開催されたBurma Studies Conference 2010におけるワ族関連パネルセッションでは、ワ族をはじめとする北方モン・クメール系民族に関わる民族言語学的観点からの研究報告をおこなった。その結果、代表者のフィールド調査に基づく一次資料や現地社会に対する知見は、世界的にも貴重な蓄積であることが内外に広く認められた。また、この研究大会を通じて、ワ族研究に関わる国際的な研究ネットワークが初めて形成され、今後とも共同調査・研究および情報交換をすすめていくことが確認された。 3.テキストの情報資源化 これまでの調査によって得られた歴史・民話・伝説などの口頭伝承や会話資料のテキスト化をすすめた。現在、調査協力者との議論を重ねており、多分野に資するかたちで早期に公開することを予定している。
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Research Products
(4 results)