2008 Fiscal Year Annual Research Report
実行情報を用いた動的電力予測による次世代大規模並列システムの省電力化に関する研究
Project/Area Number |
08J01162
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 英明 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Power-aware Computing / 省電力 / クラスタシステム / 並列システム / グリーンIT |
Research Abstract |
本研究は,次世代大規模並列システムにおいて高性能と省電力化を両立するタスクスケジューリング機構を開発し,高性能計算向け大規模並列システムの省電力化を実現することを目的としている.本年度の成果,進捗は以下の通りである. 1.本研究の特徴として消費電力・消費エネルギーを実測によって評価することが挙げられる.電力測定システムを構築し,筑波大学計算科学研究センターに設置されている大規模クラスタシステムPACS-CSにおいて消費電力特性の評価を行った. 2.「与えられた性能低下条件を満たす最低の動作周波数を選択する」といった手法では,省電力化を実現することが難しいことが分かった.低い動作周波数を選択することによってプロセッサの省電力化は実現できるものの,実行時間の増加により定常的に消費するエネルギーが増加し,システム全体の消費エネルギーが増加する可能性がある.このような手法に対して消費電力に関する情報を付与し,必要以上に低い周波数を選択しないよう制御することにより効果的な消費エネルギー削減を実現できることが分かった. 3.高性能・省電力を両立するスケジューラを実現するための手法としてギャングスケジューラについて調査を行った,既存のLinuxスケジューラでは,マルチスレッドプログラムを意識していない.そのため,同期待ちに要する時間が非常に大きくなる可能性があり,これにより消費エネルギーが増加する可能性がある. 4.プログラム実行状態と消費電力の相関関係を用いた消費電力予測機構について検討した.特に,プロセッサのパフォーマンスカウンタを用いた命令実行数とメモリアクセス回数から消費電力を予測する手法について検討した.
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Research Products
(3 results)