2009 Fiscal Year Annual Research Report
実行情報を用いた動的電力予測による次世代大規模並列システムの省電力化に関する研究
Project/Area Number |
08J01162
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 英明 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Power-aware Computing / 省電力 / クラスタシステム / 並列システム / グリーンIT |
Research Abstract |
本研究は,次世代大規模並列システムにおいて高性能と省電力化を両立するスケジューリング機構を実現し,高性能計算向け大規模並列システムの省電力化を実現する事を目的としている.本年度の成果,進捗は以下の通りである. 1.高性能計算向けアプリケーションの多くは,演算や通信といった異なる特性の処理を繰り返し実行する傾向があり,ソースコード中にコードを挿入する事でアプリケーションの特徴に応じた電力最適化を実現できる.本年度は,コード挿入によって区切られた領域において最適な動作周波数に適応させることにより省エネルギー化を実現した.動作周波数の変更による消費エネルギー削減量と実行時間の変化から各領域の消費エネルギー変化値を予測し,最適な動作周波数になるまで動作周波数を変更する.これにより,高性能計算向けアプリケーションの消費エネルギー削減を達成した.従来は,コード挿入を伴う省電力化では大量のプロファイルを取得する必要があったが,繰り返し実行する際に動作周波数を適応させることによりプロファイルを取得することなく消費エネルギー削減を達成できる事が分かった. 2.本研究では,並列システムにおいて消費電力・消費エネルギーを実際に測定することによって評価を行う.T2K筑波システムの一部ノードを利用し,動作周波数を変更するなど様々な動作状態の電力特性を評価した. 3.中小規模の並列システムにおいて高い省エネルギー効果を達成する手法が,非常に大規模なシステムにおいても省エネルギー化を達成できるとは限らない.そこで,中小規模の並列システムで取得したデータをもとに大規模並列システムの消費エネルギー削減効率を予測する手法について検討した.この結果,メモリアクセス領域で省エネルギー化を実現するアプリケーションにおいて高い精度で消費エネルギー削減効率を予測できることが分かった.
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Research Products
(3 results)