2008 Fiscal Year Annual Research Report
miRNAにより標的とされる遺伝子を評価する新しい手法の開発
Project/Area Number |
08J01215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
類家 慶直 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロRNA / トランスクリプトーム解析 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究は、マイクロRNAの標的遺伝子を網羅的に探索するための新しい手法を開発することを目的として行いました。まずマイクロRNAが標的遺伝子の発現量を負に調節することに着目し、16種類のヒト培養細胞株におけるマイクロRNAの発現パターンと、全遺伝子発現パターンを取得しました。既知の標的遺伝子が最も多いmiR-124aについて、マイクロRNAと標的遺伝子の発現パターンの相関性を解析したところ、既知標的遺伝子群はmiR-124aの発現パターンと有意に負の相関を持ちやすいことがわかりました。このことから、マイクロRNAの発現パターンとメッセンジャーRNAの発現パターンを比較することにより、マイクロRNAの標的遺伝子を評価することができることが示唆されました。この結果に基づき、全てのマイクロRNAについて、発現パターンが有意に相関する遺伝子群を抽出し、この標的遺伝子候補群が持つ生物学的機能の偏りを解析することにより、全てのマイクロRNAについてその生物学的機能の推測しました。この結果は機能未知のあらゆるマイクロRNAについて機能解析を進めるための足がかりとなる情報を提供するものであり、かつ複数種の細胞株における発現パターン情報はマイクロRNAの機能解析実験を行う上で重要な基礎情報を提供するものであると考え、これらの成果を論文としてまとめ発表しました("Global correlation analysis for micro-RNA and mRNA expression profiles in human cell lines."Ruike Y,Ichimura A,Tsuchiya S,Shimizu K,Kunimoto R,Okuno Y,Tsujimoto G.Journal of Human Genetics.2008;53(6):515-23)。
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Research Products
(1 results)