2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01242
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢吹 彬憲 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ケルコゾア / 分類 / 分子系統解析 / 微細構造 / 原生生物 |
Research Abstract |
平成22年度は、申請当初の予定通りこれまでに確立した複数のケルコゾア培養株の系統的位置の推定、及び微細構造の把握を行い、これらの情報を基に分類学的位置の決定を行った。YPF610株に関しては、新属新種Mataza hastiferaとして扱うのが妥当であると結論し、この分類学的処置を含む原著論文がJournal of Eukaryotic Microbiology誌上で公表された。またYPF804株に関しても、ケルコゾア内の新綱に属するメンバーとして扱うのが妥当であると考えられる研究成果を得ており、現在論文投稿準備中である。 YPF927はGlissomonadida目に属しこれまで環境配列のみ認識されていたメンバーであり、これも新属新種として扱うのが妥当であるとの結論を得た。他の培養株についても同様の研究を遂行しており、これら一連の研究成果によってケルコゾアの真の多様性を把握に大きく貢献したと考えている。 また、ケルコゾア全体の系統関係の把握についても、当初の計画通りケルコゾア内の主要な系統よりSSU,LSU rRNA,Hsp90遺伝子の配列獲得に成功した。現在これらの配列を用いた分子系統解析を実行中であり、この結果をもとにケルコゾア全体の分類体系の整理、及び系統進化の考察を行う予定である。このケルコゾアにおける系統学的研究はオックスフォード大のCavalier-Smith博士、David Bass博士との共同研究であり、当該年度中に優秀若手研究者海外派遣事業の採択により滞在したオックスフォード大学での研究成果も含まれている。
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Research Products
(5 results)