2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンデンシンによるクロマチン高次構造変換を介した寿命制御機構の解析
Project/Area Number |
08J01262
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川島 愛 (竹本 愛) University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 染色体 / コンデンシン / M期 / 間期 / クロマチン / 核小体 / rDNA / ヒストン修飾 |
Research Abstract |
本研究では、M期染色体を制御するコンデンシンによる間期クロマチン機能へ関与、特に転写制御、DNA修復への影響を介した細胞寿命への影響を解析している。これまでに、ヒトコンデンシンが間期細胞で核小体に存在していること、さらに核小体rDNAのnon-coding領域とcoding領域のどちらにも広く結合していることがわかった。コンデンシンをRNAiでノックダウンしたところ、ヒストン修飾の変化とともに、rRNA転写が促進されていることが確認された。したがって、コンデンシンが間期核小体においてクロマチン制御に関与していることが示唆された。しかし、酵母で報告されているようなコンデンシンシンの、細胞外栄養枯渇に応じた局在変化と細胞死への影響について明瞭な結果は得られなかった。その原因として、ヒト培養細胞においてコンデンシンを大部分ノックダウンしても核小体に存在するコンデンシンを効率よく排除することができず、どの影響についても中途半端だったと考えられた。また、コンデンシンがM期細胞分裂に必須な因子であるため、ノックダウンの効率をあげると、M期進行阻害による細胞死につながり、間期における役割を解析することが困難である。そこで、コンデンシンの間期の役割を解析するために、コンデンシンの間期機能をM期機能と分けて解析できないかと次のような計画を考えた。酵母の遺伝学を用い、間期機能に欠損があり、M期機能に影響のないコンデンシン変異体をスクリーニングにより取得し、その解析を行うことでコンデンシンの間期における役割を明らかにするというものである。本研究員は、酵母遺伝学を用いた研究はほとんど行ったことがなく、また、所属研究室においても遺伝学的手法は行われていない。そこで、2010年1月から、派遣により遺伝学的手法の蓄積があるNurse研究室(ロックフェラー大学)で本計画を続行している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The chromosomal association of condensin 11 is regulated by a noncatalytic function of PP2A2009
Author(s)
Takemoto A, Maeshima K, Ikehara T, Yamaguchi K, Murayama A, Imamura S, Imamoto N, Yokoyama S, Hirano T, Watanabe Y, Hanaoka F, Yanagisawa J, Kimura K.
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Journal Title
Nature Structural & Molecular Biology 16
Pages: 1302-1308
Peer Reviewed
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