2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化と表面増強ラマン散乱を用いた高感度分析システムの開発
Project/Area Number |
08J01309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 悠司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教
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Keywords | 自己組織化 / 表面増強ラマン散乱 / 高分子微細構造 / ハニカム状多孔質膜 / ピラー構造化膜 |
Research Abstract |
本年度は本研究計画の最終年度であったため研究結果をまとめ、論文として発表するために、実際にラマン散乱が増強される部位を特定し、その増強メカニズムについて考察を行った。まず暗視野顕微鏡で作製した微細構造表面のどこの部位においてプラズモンが強く発生しているかを確認した。その結果、これまでラマン散乱が増強されていると推定していたピラー構造先端の銀微細間隙において、プラズモン吸収に由来する特徴的な着色が起こり、実際にこの部分で電場が強く増強されていることが明らかとなった。 また、ピラー構造先端の銀の厚みを変えてラマン散乱を測定し、その銀厚みとラマン散乱の増強度合いを比較したところ、ピラー構造先端の銀の厚みがプラズモンが強く発生する膜厚のときにラマン散乱も強く増強されており、この部分がラマン散乱の増強サイトであることが示唆された。よって、この結果をまとめて論文として執筆し、今後提出する予定である。 また、昨年度の研究中に発見した自己組織化ハニカム状多孔質膜を半導体加工時のマスクとして利用した、簡便、安価に機能性表面を有する半導体表面の加工法を、学術雑誌であるMacromolecular Symposiaで発表した。また、上記加工法を用いて作製することができる、蓮の葉のような超撥水と、蛾の目のような無反射特性を有するシリコン微細突起構造についても論文にまとめ、学術雑誌Journal of Materials Chemistryで発表した。
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Research Products
(8 results)