2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロジウム触媒による炭素-炭素結合の生成及び開裂反応を利用した新規合成反応の開発
Project/Area Number |
08J01340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高津 慶士 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロジウム触媒 / 転位反応 / インダノン / β-炭素脱離 / カルボロデーション |
Research Abstract |
1.研究目的 ロジウム触媒によるβ-炭素脱離反応を利用した新規転位反応を開発することにより,従来の手法では合成の難しい化合物を高選択的に合成することを目的に研究を行っている. 2.研究成果 (1)研究計画とその意義 ロジウム触媒によるアリールビス(アルキニル)カルビノールから3-アルキニルートインダノンへの転位反応の開発に取組んだ.第三級プロパルギルアルコールからのβ-炭素脱離を経由した転位反応はこれまでに知られておらず反応形式に関して新規性を有する反応である.また,基質として用いるカルビノール類は入手容易な化合物から一段階で簡便に合成できるため,本反応が実現すれば短工程での効率的なインダノンの合成が可能となる,従って本研究は実用的見地からも重要性の高い新規反応になると期待できる. (2)研究成果 反応に適した条件の検討を重ねた結果,アルキン末端にトリアルキルシリル基を有するアリールビス(アルキニル)カルビノールに対して,ロジウム錯体触媒を作用させることにより目的反応を効率よく進行させることに成功した.一例として,フェニルビス((ターシヤリーブチルジメチルシリル)エチニル)カルビノールに対し5mol%の[Rh(OH)(cod)]2/binap触媒を用いジオキサン溶媒中50度で反応を行うと,3位にシリルエチニル基を有する1-インタノンを収率87%で得ることができる.また同様の条件において種々のインタノン類を効率よく合成できることに加えて,グラムスケール反応に適用可能であることも明らかにした.
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